雇用保険は、新型コロナ感染症の拡大が、雇用にも大きな影響が及ぼしたことから、大幅な雇用調整助成金の拡充や、休業支援金・給付金の創設、基本手当の給付日数の延長といった特例措置が講じられ、改めてその存在が認識されたところです。
こうしたことも踏まえ、厚労省の労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会では、雇用保険制度の見直しに向けた検討が進められ、1月10日に部会報告が公表されました。
そのなかから、特に関わりが深い部分を紹介いたします。
〇週所定労働時間20 時間未満の労働者に対する雇用保険の適用拡大
・週10時間以上20時間未満の労働者にも適用を拡大(令和10年度中)
〇正当な理由のない自己都合離職者への基本手当の給付制限期間の見直し
・現行の2か月を1か月に短縮(令和7年度から)
〇就職促進給付の見直し
・受給者数が極めて少ない「就業手当」の廃止(令和7年度から)
・早期再就職者に対する「就業促進定着手当」の上限率の引き下げ(令和7年度から)
〇教育訓練給付の拡充
・「専門実践教育訓練給付金」の給付率の引上げ(令和6年度中)
・「特定一般教育訓練給付金」における資格取得等の支給率引上げ(令和6年度中)
・教育訓練中の生活を支えるため「教育訓練休暇給付金(仮称)」の創設(令和7年度中)
・フリーランス等被保険者でない者への「融資制度」の創設(令和7年度中)
〇高年齢雇用継続給付の見直し
・給付率(現行15%)の引き下げ(10%)(令和7年4月から)
〇育児休業給付の給付率の引上げ
・出生直後28 日間を限度に休業開始前賃金の 13%相当額を給付する「出生後休業支援給付金(仮称)」の創設(令和7年度から)
・2歳未満の時短勤務に対する「育児時短就業給付(仮称)」の創設(令和7年度から)
〇失業等給付に係る保険料率の据え置き(令和6年度は1000分の8)
見直しは多岐にわたりますが、これらはいずれも昨年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)や「こども未来戦略方針」等において、盛り込まれた内容を踏襲したものとなっています。
この報告を基にして今後具体的な検討が進められることになりますので、引き続き注目したいと思っています。
▸労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告(厚労省ホームページ)
それではまた!
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