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6月15日に支給された今年度の年金額改定の仕組みは少し複雑です

今年度に入って初めての年金(4・5月分)が、先日支給されましたが、いつもとは少し

異なっていることに気が付かれた人も多いと思います。


一番の違いは、支給額です。


年金支給日に先立って配布されてきた「年金額改定・支給額変更通知書」で、事前に知っていた人も多かったかもしれませんが、今回は3年ぶりの「増額」改定となりました。


モデル世帯とされる「夫婦2人」(67歳以下で40年間働いた夫と専業主婦の組み合わせ)」では、月額4,889円増の224,482円となるとされています。


これには、老齢厚生年金と老齢基礎年金の両方が含まれています。


ただ、この裏側には、年金額改定の複雑な仕組みが隠されているのです。

改定率決定の仕組みは次の3段階があります。


【年金額改定の仕組み】

➀年金額を決めることになる改定率は「賃金」(実質賃金変動率)と「物価」(物価変動

率)に応じて決められますが、「賃金」と「物価」の変化を見て、そのどちらの変化の度 

合い(変動率)を用いるかを決めます。


・今回は「賃金」>「物価」となっており、かつ、両方とも「プラス」でした。

この場合には、67歳以下(新規裁定者)は「賃金」、68歳以上(既裁定者)は「物価」 

の変動率を用いるというルールになっています。


・このルールのため、今年度の改定は、年齢によって(67歳以下か、68歳以上か)「改定

率」が異なるということになったわけです。


➁また、今回のように、「賃金」も「物価」も「プラス」の変動となったときには、年金額

調整の仕組みである「マクロ経済スライド」を適用するルールとなっています。


・この「マクロ経済スライド」は、平成16年に導入された制度で、少子化や高齢化の進行に合わせて、年金給付水準を自動的に調整(抑制)する仕組みですが、賃金が上昇しない状況のなか、過去3回しか発動されたことはなく、今回は4回目となりました。


・そして、今回のスライド調整率は、0.3%とされ、この分減額されることになります。


③さらに、この「マクロ経済スライド」は、発動されるケースが少なかったことから、平成30年からは発動されなかった分を翌年以降に持ち越すという「キャリーオーバー制」が導

入されました。


・今回は、前回までの持ち越し分が0.3%ありましたので、➁の今年度の0.3%と合わせた分として、0.6%が減額されることになったのです。


・最終的に、「67歳以下は、2.2%増」「68歳以上は、1.9%増」となりました。


要するに、今回はこうした3段階の調整がなされたうえで、改定率が決められ、年金額の改定が行われたのです。


本来の計算で求めた年金額からは、0.6%分が調整(抑制)されることになりましたので、報道などではこれを「目減り」と呼んでいるのです。


しかし、実際のところは、0.6%のうちの0.3%は、本来前年までに減額されるはずのものが、賃金が上昇した今年度まで、減額を待ってもらっていたというのが、正確な表現かもしれません。


いずれにしても、この辺りの仕組みは、年金受給者をはじめ、一般の被保険者には理解しにくい内容です。


しかも、制度が繰り返し変更されていますので、それに付いていくのも大変です。


こうした仕組みについて、折にふれて分かりやすく説明していきたいと思っています。


では、また!

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